診療報酬に関する情報

2. これまでの経緯

制度改定の変遷

  • 2018年3月:オンライン診療の適切な実施に対する指針(いわゆるオンライン診療ガイドライン)の発出、同年4月より診療報酬にてオンライン診療料が新設されました
  • 2020年4月:診療報酬改定により、オンライン診療料の緩和がなされました。また、4月10日に新型コロナウイルス感染症対策として、いわゆる「0410対応」が発出され、時限的特例措置としての規制緩和がなされました
  • 2022年4月:診療報酬改定にて、恒久的な制度としてオンライン診療関連の規制や報酬の見直し、評価がなされました。
  • 2023年4月:新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類変更に伴い、同年7月31日に「0410対応」が廃止される旨が明らかになりました。

これらの制度については、疑義照会や日々変化する情勢などを受けて、既存の制度に関する解釈や追加の情報が発出されることがあります。

当社では、オンライン診療に関する情報をまとめています。詳しくは「9. 診療報酬に関する事務連絡一覧」をご覧ください。


2022年度 診療報酬改定とコロナ特例措置[0410対応]との関係

2022年3月4日に発出された「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その67)」において、0410(電話でも可・施設基準の届出不要)と診療報酬ルール(電話不可・施設基準の届出必要)のどちらで算定するかを医療機関が選択できるようになりました。

その後、上記について、関東信越厚生局東京事務所に解釈の照会を行い、回答が得られました。

令和4年度基本診療料の届け出をした医療機関において

  • 情報通信機器を用いた診療を行った場合: 令和4年診療報酬に基づき算定
  • 電話を用いた診療を行った場合: 0410対応に基づき算定

令和4年度基本診療料の届け出をしない医療機関の場合

  • 情報通信機器/電話いずれの場合であっても0410対応に基づき算定

※本回答はあくまで関東信越厚生局東京事務所に照会した結果であり、管轄の厚生局にお問合せされることを推奨いたします。

なお、届け出については「8. 参考資料・様式」をご参照ください。
※4/20日までに届け出をすれば、4/1から遡って診療報酬ルールで算定可能とされております。
※令和2年度改定時にオンライン診療料の届け出をしていた医療機関においても届け出が必要です。ご留意ください。

報酬 範囲 手続き
2022年度
診療報酬
  • 初診:251点
  • 再診:73点
  • 医学管理料:対面の90%弱程度
  • 電話を含まず
  • 医学管理料の対象が大幅に緩和
  • 基本診療料に関する届け出が必要
  • 毎年7月に年間の診療実績件数を報告する必要がある
0410対応
(電話等再診)
  • 初診:214点
  • 再診:73点
  • 医学管理料:一律147点
  • 電話を含む
  • 医学管理料の対象は2020年度診療報酬を踏襲
  • 都道府県への届出が必要
  • 初診を行った際には都道府県に毎月の報告が必要

 

以下、厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その67)」より抜粋
https://www.mhlw.go.jp/content/000908219.pdf

1.電話や情報通信機器を用いた初診の実施について令和2年4月10日事務連絡の1の(1)に掲げる初診から電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方を行った場合には、当該診療について、A000初診料の注2に規定する214点を算定することとされているが、診療報酬改定後の情報通信機器を用いた診療に掲げる施設基準を満たすものとして地方厚生(支)局長に届出を行った保険医療機関において、診療報酬改定後のA000初診料の注1ただし書に規定する情報通信機器を用いて当該診療が行われた場合には、同ただし書に規定する251点を算定するものとする。なお、当該施設基準の届出を行っていない保険医療機関において、電話や情報通信機器を用いた診療が行われた場合にあっては、コロナ特例による214点を引き続き算定しても差し支えない。ただし、この場合であっても診療報酬改定後の施設基準に準じた体制の整備に最大限努めること。

2.電話や情報通信機器を用いた再診の実施について電話や情報通信機器を用いた再診により診断や処方を行った場合の取扱いについて、時限的・特例的な対応としてその取扱いが定められているところではあるが、診療報酬改定後の情報通信機器を用いた診療に掲げる施設基準を満たすものとして地方厚生(支)局長に届出を行った保険医療機関において当該診療が実施された場合には、診療報酬改定後のA001再診料の注1ただし書又はA002外来診療料の注1ただし書に規定する73点を算定することとなる。ただし、当該施設基準の届出を行っていない保険医療機関において、当該診療が行われた場合にあっては、コロナ特例による電話等再診料等を引き続き算定しても差し支えない。なお、この場合であっても診療報酬改定後の施設基準に準じた体制の整備に最大限努めること。


0410対応の廃止について

令和5年3月31日事務連絡において、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが令和5年5月8日に変更される事に伴い、令和5年7月31日をもって「0410対応」を廃止する旨が通知されました。

電話を用いた初診及び定期受診は「0410対応」による特例のため、今後は情報通信機器を活用した診療が求められることになります。

2.電話や情報通信機器を用いた診療等に係る特例

(1)電話や情報通信機器を用いた診療等に係る特例の期限について
電話や情報通信機器を用いた診療等に係る特例については、以下の(2)及び(3)のとおりであり、当該特例については、令和5年7月31日をもって終了する。

(2)初診料等に係る特例について

① 初診からの電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方を行う場合について、A000初診料の注2に規定する点数(214点)を算定できる。また、医薬品の処方を行い、又はファクシミリ等で処方箋情報を送付する場合は、調剤料、処方料、処方箋料、調剤技術基本料又は薬剤料を算定することができる。
なお、本取扱いにより214点を算定する保険医療機関であって、令和5年8月以降も情報通信機器を用いた診療を行おうとするものについては、A000初診料の注1ただし書きに規定する点数(251点)を算定できるよう、令和5年7月31日までに情報通信機器を用いた診療に係る施設基準を届け出ること。

② 慢性疾患等を有する定期受診患者等に対し、電話や情報通信機器を用いた再診により診断や処方を行った場合には、電話等再診料(73点)又は外来診療料(74点)を算定できる。また、医薬品の処方を行い、又はファクシミリ等で処方箋情報を送付する場合は、調剤料、処方料、処方箋料、調剤技術基本料又は薬剤料を算定することができる。本取扱いにより外来診療料を算定する場合には、診療報酬明細書の摘要欄に電話等による旨及び当該診療日を記載すること。また、診療録への記載については、電話等再診料の規定に基づいて対応されたい。
なお、本取扱いにより電話等再診料又は外来診療料を算定する保険医療機関であって、令和5年8月以降も情報通信機器を用いた診療を行おうとするものについては、A001再診料又はA002外来診療料注1ただし書きに規定する点数(73 点)を算定できるよう、令和5年7月31日までに情報通信機器を用いた診療に係る施設基準を届け出ること。

(3)その他加算の取扱い等について

① 慢性疾患又は精神疾患を有する定期受診患者に対して、電話や情報通信機器を用いた診療及び処方を行う場合であって、電話や情報通信機器を用いた診療を行う以前より、対面診療において診療計画等に基づき療養上の管理を行い、「情報通信機器を用いた場合」が注に規定されている管理料等に基づく管理を行う場合は、B000の2に規定する「許可病床数が100床未満の病院の場合」の点数(147点)を月1回に限り算定できる。

②(2)①に示すA000初診料の注2に規定する点数(214点)、(2)①に示す電話等再診料(73点)又は外来診療料(74点)を算定する場合の注加算について、初診については、A000初診料の注6から注9までに規定する加算、再診については、A001再診料の注4から注7までに規定する加算又は注11に規定する加算、A002外来診療料の注7から注9までに規定する加算について、それぞれの要件を満たせば算定できる。

③ 精神疾患を有する定期受診患者に対して、電話や情報通信機器を用いた診療及び処方を行う場合であって、電話や情報通信機器を用いた診療を行う以前より、対面診療において精神科を担当する医師が一定の治療計画のもとに精神療法を継続的に行い、通院・在宅精神療法を算定していた患者に対して、電話や情報通信機器を用いた診療においても、当該計画に基づく精神療法を行う場合は、B000の2に規定する「許可病床数が100床未満の病院の場合」の点数(147点)を月1回に限り算定できる。

④ 訪問看護・指導計画に基づき、保険医療機関が訪問を予定していた在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料又は精神科訪問看護・指導料を算定している患者について、新型コロナウイルス感染症への感染を懸念する等の理由により当該患者等からの要望等があり、訪問看護・指導が実施できなかった場合であって、代わりに看護職員が電話等による病状確認や療養指導等を行った場合は、当該保険医療機関は当該患者について、訪問看護・指導体制充実加算(150点)のみを算定できる。この場合において、電話等による病状確認や療養指導等については、医師による指示の下、患者又はその家族等に十分に説明し同意を得た上で実施するものとし、その実施月に訪問看護・指導を1日以上提供していること。また、医師の指示内容、患者等の同意取得及び電話等による対応の内容について記録に残すこと。
なお、本取扱いにより訪問看護・指導体制充実加算(150点)のみを算定する場合、当該保険医療機関が訪問を予定していた日数に応じて、月1回に限らず、電話等による対応を行った日について算定できるものとする。なお、すでに当該加算を算定している患者については、当該加算を別途算定できる。また、本取扱いに係る患者に対してのみ訪問看護・指導体制充実加算(150点)を算定する保険医療機関については、特掲診療料の施設基準等第四の四の三の四に規定する訪問看護・指導体制充実加算の施設基準を満たしているものとみなすとともに、同告示第一に規定する届出は不要とすること。

⑤ B011-5 がんゲノムプロファイリング評価提供料について、当該患者の疾患の状態等を考慮した上で治療上必要と判断した場合に限り、電話や情報通信機器を用いて結果を説明しても算定できる。このとき、治療方針等について記載した文書を後日患者に渡すこと。

「0410対応」廃止後の診療形態の整理

  • 非対面診療は、オンライン診療(情報通信機器)を用いたシステムに集約されていくことになります。
  • 電話は、患者の求めに対応した場合のみ算定可能です。
情報通信機器
電話
初診
×
再診
(定期受診/一般的な再診)

×
電話等再診
(患家の求めに応じた臨時)

以下、令和4年度診療報酬改定 医科点数表より抜粋

患者又はその看護に当たっている者から電話等によって治療上の意見を求められて指示をした場合においても、再診料を算定することができる。


2022年度 診療報酬改定に関連する諸文書

オンライン診療の適切な実施に関する指針

保険診療・自由診療に関わらずオンライン診療を行う場合に遵守するべき指針。通称「オンライン診療ガイドライン」。厚生労働省により作成。

『オンライン診療の適切な実施に関する指針』PDF(厚生労働省)

 

オンライン診療の初診に関する提言

オンライン診療で初診を行う際に留意すべき事項が、症状や薬剤ごとにまとめられています。一般社団法人日本医学会連合により作成。

『オンライン診療の初診に関する提言』PDF(一般社団法人日本医学会連合)

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